私は「無難な人生」に満足していました。
私には幼稚園に通う息子がいます。
次は小学校に進むわけですが、進学に対してもやもやしています。
私が学生の頃は、大学を出ないと就職先が選べない、だからとりあえず大学へ行こう、という感じでした。今思えば、大学も就職先も、周りから反対されないところを選んでいて、自分で決めたという感じではありませんでした。
私が「自分で選択して決める」という行為をちゃんとしたのは、こどもを産んでからです。
子育てしていく中で、周りはふつうにしているけれど、これって本当はどうなんだろう?と思うことがあり、自分なりに調べてみて、「これは止めておこう」「これはこうしよう」などと考えて選択してきました。
今までの私は、「親がこう言うから」「周りの友達がこうしているから」「こんなことしたら皆から反対されるから」ということを基準に物事を選んできていました。
自分でも「無難な人生だな」と思っていました。でもそれに不満はなかったのです。
けれど、子どもを産んで子どもにとって本当に良いことは何なのか?とひとつひとつ考えていくようになって初めて、「周りに合わせた選択」をしなくなっていきました。
私にとっては、初めての世間の流れからの逸脱であり、それはとてもとても大きな一歩でした。
そして、今、学校という組織について疑問をもっています。
世の中がAIやテクノロジーの進化で急速に変化している中で、従来の学校教育で良いのだろうか?
我が子を良い方向へ導けられるのだろうか?
むしろ学校には弊害が多いのではないだろうか?
我が子の個性が、学校教育によって画一化させられないだろうか?
そんなことを思うようになりました。
学校組織に対するモヤモヤの原因をすっきりさっぱり説いてくれたのがこの本です。
私のように、学校へ行かせることに不安を覚える親御さんはいらっしゃるのではないかと思います。
学校とはどういうところなのか。
学校に行くとどんな弊害があるのか。
本当の学びとは何か?
どんな力が必要なのか?
親はどうあるべきなのか?
そういった疑問をわかりやすく堂々と書かれています。
この本の目次を紹介します。
- 第1章 学校は国策「洗脳機関」である
- 第2章 G人材とL人材
- 第3章 学びとは「没頭」である
- 第4章 三つの「タグ」で自分の価値を上げよ!
- 第5章 会社はいますぐ辞められる
目次から心惹かれませんか?
どの章も、読み飛ばすことなんてできない濃い内容で、隅々までしっかり読むべき有益な内容でした。
そんな中から、私が心に響いた文を紹介します。
常識的な人間を育てて、社会の家畜にする。
学校が教えることの9割は「知識」ではないからだ。学校はただ、ゆがみきった「常識」を植え付けるために存在する機関なのである。
学校で押し付けられるのは、「工場=会社」の予行練習のようなことばかり。例えば時間の厳守、全体行動、一方的な評価、ボス=教師の言うことへの服従・・・・”
「常識的な人間は従順な家畜になる。」それが国にとって社会にとって都合の良い人間のカタチだと述べられています。
こうやって書いてみると過激ですね。。
だけど、私自身もそうでした。
校則の内容に疑問も持たず、「先生がそう言うから」「決まっていることだから」という理由で、しっかり守っていたし、むしろ守らない人達がなぜそんな面倒なこと(守らないと注意されたり別室で説教されたりしてた)をしているのか信じられませんでした。
まさに私自身が「服従」状態だったのです。当時は気が付きませんでしたが。
テスト勉強も良い点を取るための勉強であって、自分の身になる勉強なんてしていません。だから、暗記ばかり。そして学校を卒業すると一瞬で忘れました。
今の私は学生時代に勉強したことがほとんど残っていません。時間の無駄遣いだったと思います。
我が子にそんな時間の使い方はしてほしくないのです。
これからの社会で必須な力とは?
何のために何をするのか、どんな風にするのか、すべてを自分で決め、自ら責任を負いながら突き進む力。新しい時代を楽しく生きるために必須のこの能力を、僕はシンプルに「没頭する力」と呼んでいる。
没頭する対象なんて、その気になればいくらでも見つかる。あなただってきっと、すでに出会っている。でも、自分で自分にブレーキをかけているのだ。「こんなの、できっこない」と。 どうしてわざわざ自分にブレーキをかけるのか? 答えは簡単だ。「学校」でそう洗脳されたからである。
学校だけでなく、親からも「これはダメ」「あれはしちゃダメ」と言われて育っていくと、自分にブレーキをかける大人になってしまう。。
ブレーキをかける側の気持ちはよくわかります。私自身がそうだからです。
周りに反対されそうなことは止めておこうと判断していました。
それが正しい生き方だと思っていたのです。
けれど、子どもの誕生をきっかけに少しずつ変わっていき、周りに反対されても自分で選択するようになり、同じような考え方の人と出会い、世の中にはいろんな考え方をする人がいることへの面白さに目覚めました。そして勇気をもらいました。
自分で選択すると「自由」を感じます。
縛られていたものから抜け出せた感覚です。これが気持ち良いのです。
周りと違うことをする怖さもありましたが、自分で選択することに慣れていくと、恐怖も薄れてきます。
なぜなら、この選択を反対する人もいれば応援してくれる人もいるからです。同じような考えを共有できる仲間に出合えたりするのです。そして勇気をもらえるのです。
私は口うるさい親だと自覚しています。ついつい「あれしちゃダメ」「これしなさい」なんて言ってしまいます。
学校がどうとか思っていますが、私自身も変わる必要があると思っています。この本を読んで、さらに痛感しました。
ヘタすると、私が息子の未来を奪ってしまうかもしれないのです。
「どれだけ自ら決断したか」があなたの価値を最大化させる
あなたの価値を最大化するのは、「どれだけ我慢したか」ではなく、「どれだけ自ら決断をしたか」なのである。
使うべきは、時間でも労力でもない。お金ですらない。「頭」なのだ。
「自分のアタマで考えること」
これが、従来の学校教育には不足している点だと思う。そして家庭でも。。
私自身が親にあれこれ指図される環境で育ってきたので、その影響が我が子への子育てにもあると思います。
ついつい自分がされてきた育児を子どもにしていると感じることがあります。
親としてできることは、こどもの足を引っ張らないこと。
「没頭する」時間は、頭を使っている時間ともいえると思います。
どうしたら上手くいくのか?なぜ失敗したのか?どう工夫しようか?
その時間を、なるべく奪わないようにしなければと思っています。
「思考停止状態」から抜け出そう
自分の「これが好きだ」「これがしたい」という感覚を信じ、それに従って下した判断を誰のせいにもせず生きる。そして、価値のゆらぎを恐れてはならない。むしろ変化するのは正常だ。毎日、瞬間ごとに自分の判断を更新していくべきなのだ。 その覚悟があれば、未来予測など不要だ。あなたは、「今」の自分を信じればいいのである。
印象的だったのは、「価値の揺らぎを恐れてはいけない。むしろ変化するのは正常だ」というところです。
答えは一つしかないと学校でも家庭からでも教わってきた私にとって、価値の揺らぎは優柔不断のようにとらえていたけれど、これだけ世の中が変化していく中で、一つの考えにこだわるのは、いわゆる頭が固い状態、すなわち思考停止状態ともいえると思いました。
この先がどのような未来になろうとも、「これが好き!」「これがしたい!」というものがありさえすれば、きっと大丈夫。
我が子には、そんな風に思えるものを、小さくても大きくてもたくさん持っていてほしいなと思います。
今の私のもっぱら考えていることは、学校に通わせても大丈夫なのだろうかということです。
学校に行く大きな魅力は人との出会いだと思っています。
私自身も、学校で出会った友人にたくさん助けてもらい、たくさん肯定してもらい、今の私があります。
そんな大切な友人と出会える可能性があるのが、たくさん人が集まっている学校だと思います。
ですが、それ以外の点では、いわゆる「洗脳」的な教育がなされる場であると恐れを抱いています。
今の私はこんなことを考えていますが、これは今のことであって、これから変わっていくだろうと思います。
でも、それでいいんだと思います。
「これが正解」というものはなく、大切にするべきは『誰のせいにもせず自分自身で判断し、今の私を信じること』だと堀江さんに教えてもらいました。
心からそういう生き方がしたいと思います。
そして我が子にも。
我が子が大きくなったらこの本を読んでほしいなと思います。
親だから正しいんじゃない。
先生だから正しいんじゃない。
学校だから正しいんじゃない。
大人だから正しいんじゃない。
あなたがどうしたいかが大事なことなんだよ。
学校とは本来、国家に従順な国民の養成機関だった。しかし、インターネットの発達で国境を無視した自由な交流が可能になった現代、国家は名実ともに“虚構の共同体”に成り下がった。もはや義務教育で学ぶ「常識」は害悪でしかなく、学校の敷いたレールに乗り続けては「やりたいこと」も「幸せ」も見つからない。では、これからの教育の理想形とはいかなるものか?「学校はいらない」「学びとは没頭である」「好きなことにとことんハマれ」「遊びは未来の仕事になる」―本音で闘うホリエモンの“俺流”教育論!
この本には、学校教育だけにとどまらず、これからどんな生き方があるのか、堀江さんはどんな生き方が良いと思うかも書かれています。
「G人材、L人材って?」 「遊び倒す人生ってどうやるの?」 「自分の価値を高める3つのタグって?」
そういったことが気になる方は、ぜひ一読することをおススメします。
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