私の中にもモモはいる___『モモ』/ミヒャエル・エンデ

モモ

 人の話を聞くのが上手なモモ。

 モモがそばにいてじっと話を聞いているだけで、話している人が本当の自分の気持ちに気づく。

 困ったことがあればモモのところに行っていた人々。

 でも、時間泥棒がやってきたことで、大人たちの様子が変わった。

 みんな、時短を大事にするようになって、無駄なことを失くすために一生懸命になりだした。

 大人がピリピリしだすと、子ども達も居場所がなくなり暗くなっていった。

 世界は時間泥棒の思い通りだった。

 でも、思い通りにならない唯一の人間がモモだった。

 モモが時間泥棒から世界を救い出そうと奮闘する中で、印象的な場面が出てくる。

 『速く歩けば歩くほど、前に進まない坂』

 モモを追いかける時間泥棒が、走れば走るほど、モモから離れていってしまう。

 これって、「今に集中していないとどんどん時間が過ぎていくよ」ってことだと思った。

 今やっていることに目を向けないで、先のこと、明日のこと、未来のことばかり考えていると、どんどん時間が過ぎていくように感じるんじゃないかな。

 みんな時間のスピードは同じだけれど、感覚として感じる時間のスピードは人によって違うってことじゃないかな。

 「早く、早く!」と自分をせかしながら生きて行くと、充実感や望むことに到達するのには時間がかかるってことではないかしら。


ターシャ・テューダー

 ターシャ・テューダーさんについての本を読んでもそう思う。

 ターシャさんは、家事、仕事、子育て、趣味、すべてに全力投球だったように見える。

 子どものために、手作りの人形や、手紙(やりとりするための郵便局も)、ドールハウス、ごちそう、などなど、どこにそんな時間があるんだろうと思うくらい、手の込んだものをたくさん作られていた。

 毎日かかさずしていたお茶の時間も手作りのお菓子を用意していた。

 動物もたくさん飼っていたし、仕事も完璧に仕上げて手を抜かない、アンティークドレスを集めるのが趣味で子どもたちに着せて撮影会をしたりもしていた。誕生日パーティーにはいかだを作って川の上流からケーキを流してサプライズパーティもしていた。

 そして有名な庭造りもたくさんの球根を買って、育てられていた。

 生前のターシャさんを何度かテレビで見たことがあるけれど、穏やかな雰囲気の方だった。

 せかせかしていなくて、でもやり遂げたことは数多い

 どうやったらそんなにたくさんのことができるんだろう?

 そのヒントは、今の瞬間を楽しむことにあるんじゃないかと思った。


きっかけは何であれ

 先日、私はご飯茶碗を家族分買った。

 今まではあり合わせの小皿を使っていたんだけれど、生活をもっと楽しみたいと思って。

 私の器は、内側に鶴の柄があって一目ぼれ。

 夫と子ども達のものも、縁起の良い柄にした。

 このお茶碗があるおかげで、ごはんをよそう時も、洗う時も、まじまじと器を見ている。ああ、可愛いな。大事に使おう。って、見るたび思う。

 こういう時って、時間が止まってる気がする(感覚として)

 怒涛のように流れていく時間の中で、ふと立ち止まる時間。

 立ち止まるってことは、今の自分のいる地点に意識を向けるってこと。

 それだけで、時間泥棒に時間を奪われていない気がする

 こんなちょっとしたことで、時間を長く感じるんじゃないかな。

 子どもに話しかけられて応えるとき、ちゃんと子どもの顔を見てみる。

 そうすると、子どもの表情や目の輝きにまで気が付く。

 あ、こんな表情で話しかけてくれてたんだ。

 そんな発見をすると時間が止まったように感じる。


私の中のモモ

 今、私は何をしている?

 どんな気持ちでいる?

 どうしたい?

 私の中にも、誰の中にもモモを住まわすことはできる。

 自分の話を聞いてあげるだけ

 その時間を惜しまなければ、時間泥棒に時間を奪われることはないんじゃないかな。

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