読書メモ:『ありのまま子育て やわらか母さんでいるために』著:井桁容子

 井桁容子さんを知ったのはNHKの「すくすく子育て」という番組でした。

 長男が1歳になるまでは毎回かかさず録画して見ていました。

 初めての育児で、わからないことだらけだったあの頃は、「すくすく子育て」から多くのことを学びました

 井桁さんもたびたびご出演されていて、井桁さんのやわらかい口調とまなざしに、子育てでアワアワしていた気持ちを和らげてもらいました

 そして、子ども目線からの子育てアドバイスに、「なるほど!そう考えればいいんだ!」と何度も目からうろこが落ちました。

『ありのまま子育て やわらか母さんでいるために』

 あれから数年たった今、井桁さんの著書『ありのまま子育て やわらか母さんでいるために』を読むと、「すくすく子育て」で優しく語りかけていらしたお姿を思い出し、なんだかホッとします。

 『ありのまま子育て』から覚えておきたい文章を引用させて頂きました。

「ほめる」と「認める」の違い

「叱る」と「怒る」に違いがあるように、「ほめる」と「認める」にも違いがあります。「上手」というほめ言葉は、「下手はダメ」ということ。赤いチューリップを描いた子どもに、「赤いチューリップが、上手に描けたね」とほめれば、青いチューリップを描いた子どもは、「青ではダメなのかな?」と思ってしまったり、上手に描けなかったときは「見せたくない」という思いがわいてきてしまいます。

 「素敵なチューリップだね」「いい香りがしてきそう」と、大人が感じたことを感想として伝えれば、評価とは違った「満足感」を子どもに与えられます。

『ありのまま子育て』

 

「ほめる」裏側にあるもの

 私はついつい、子どものやる気を伸ばそうと「ほめる」ことをやってしまいます。ここに、私の欲が出ていることに気づきました。「もっと才能を伸ばしたい」という欲。つまり、現状のこどもを認めていないということでもあります。 

 「上手だね~」と言うのは「上手なあなたが好き」とも受け取れます。「そのままのあなたが素敵」というメッセージを十分に与えられていなかったように思います。

 また、「ほめる」の対極は「非難する」ということ。つまり、ほめられるようなことをしなければ、ダメだと思われるかもという発想を与えてしまう危険性があるということを知りました。

 ついつい簡単な「上手だね~」という言葉を多用してしまっていました。「ほめる」ことより「認めること」を意識して言葉がけをしていこうと思いました。

 

しつけとは?

お子さんの行動をどうやって規制するかがしつけなのではありません。行動の意味をその子にわかる言葉で伝え、やがて自分の力でコントロールできるようにすることです。

『ありのまま子育て』

 長男は6歳で、言葉も達者です。

 言葉が通じるから、言えばわかるだろうと思い込んでいるので、「言ってもわからない」状態になると「なんでわからないの!?」とカーっとなることもしばしばです。

 でも、言葉が通じるからといっても相手はまだ小さい子ども。なぜその行動が良くないか、わからないのも当然なんですよね。わかるだろうと簡単に伝えるのではなく、わからない前提で伝えないといけないと思いました。

 

幼いころにやっておかなければならないこと。

幼いころにやっておかなければならないこと。それは、「自分の思いや感情を思いっきり表現すること」だと思います。大人がいい子になるようにと育て急ぐと、うわべだけの優しさを頭で学ばされ、それは一見、優しさが身についたようにも見えますが、本当の意味での相手の悲しみや痛みに気づくことはできないのです。

『ありのまま子育て』

 子どもを見ていると、思いっきり泣いたり怒ったり、ドラマチックだなぁと思います。(笑)

 でも、少なからずそんな風に感情を爆発している様子を見るとほっとします。家庭が安心してそのままの自分を出せる環境ではあるんだな、と。

子どもを信頼する

幼い子どもに、誠意はちゃんと通じます。「何もわかっていない自分勝手な人」と思ってしまうと、その通りのわがままな人間になりますし、「この子は、ちゃんとわかってくれる」という信頼を持って接すれば、そのようなやりとりがちゃんとできる人間に育っていく。

『ありのまま子育て』

 「言ってもわからないだろう」と思って、十分な説明をせずただやってほしいことだけを指示する。よくやってしまいます。そして、本人も納得がいかず言い合いになって余計時間がかかっている、ということになりがちです^^;

 「一人の人間としての尊重」ができず、コントロールしようとしてしまうのですが…。忘れずにいたい文章です。

我が子を他の子と比べてしまう理由

私は一般的に、親は自分の子どものことが、本当には見えない存在だと思っています。それは、自分の顔を本人が一番見えないのと同じように、「近すぎて見えない」という意味です。ですから、周囲の評価が気になったり、他の子と比べないとわが子のことがわからなくなったりするのですね。

『ありのまま子育て』

 「近すぎて見えない」はまさに目からうろこでした!

 だから他の子と比べてしまうんですね。

 実は、我が子のことは見えていなかったんだ。。

 そう思うと、合点がいきました。

 他の子のやることに対してはフラットにみられるのに、我が子のやるこに関しては過剰に反応してしまうのは、見えていないがゆえのことだったんだと納得しました。 

子どもが親に求めること

総じて子どもたちは、お母さんが頑張ることをあまり求めてはいないようです。そして、頑張っているお母さんは、子どもの気持ちに気づくことや共感するゆとりがないため、形あるものによる喜びは与えられるのですが、それでは子どもの心は満たされません。子どもというのは何はなくとも、今の自分に気づいてくれる、寄り添ってくれる「のんきお母さん」が大好きなのです。

『ありのまま子育て』

 「のんき母さん」って実はレベル高い。

 部屋がぐちゃぐちゃのままだと私のストレスになるので、片付けられずにはいられないし、自分で出したくせに片付けない子どもにイライラします。

 片付けは、我が家の子どもとケンカになる原因ナンバー1です。

 自分の心地良さがないと、のんびりした気持ちになれないですから、バランスが大事なのかな。

 「共感する」ことの大きさは日々実感します。

 怒りや悲しみで大泣きしてるときも、その気持ちに共感する言葉をかけると、子どもはみるみる落ち着いてきます。

 大人の私も、つらい時イライラする時に共感してもらえたら気持ちが楽になります。

 気持ちが楽になったら、冷静に考えられるようになる。子どももお大人も一緒だなぁ。

「今」の積み重ねを大切に

過去にこだわったり、未来のことばかり考えて、今を無駄にするのではなく、心地よい今を大事にする積み重ねが、親と子の確かな成長につながっていきます。

『ありのまま子育て』

 親という字は「木の上に立って見る」と書くように、子どもの先を見る性分だと思います。

 しかし、そちらばかりに気を取られすぎていると、大切なものを見落とすかもしれません。

 子どもと一日中一緒にいたはずなのに、「今日は全然子どもの顔を見ていなかったな」と思うことがたまにあります。

 「今」に心を向けられていない証拠ですね。ついついスマホ見たり、本読んだりして、子どもへは「ながら対応」しがちなので反省です。

子どもの失敗への対応

失敗したときに親が、「今、失敗しておいてよかったね」「こんなことも、ときにはあるよね」とか「失敗したことで、気づいたことがあって得をしたね」など、前向きに受け止める言葉を子どもに渡せたなら、その失敗は生かされ、自己肯定感の強化につながるでしょう。

『ありのまま子育て』

 これ!できるようでできないナンバー1です。 

 しょっちゅう飲み物こぼしたり、物壊したりして、ついつい「気を付けてよ~!」と言ってしまういます。

 「失敗しておいて良かったね」なんて対応ができたら、素晴らしいと思います。

 子どものころ、親に言われて嫌だった言葉、「いらんことせんといて」でした。

 別に困らせようとしているわけではなく、好奇心のおもむくままに行動して失敗したら、「いんらんことすな!」と怒られてました。

 だから、「失敗しておいて良かったね」って言ってくれる親って本当にうらやましいな~と思います。

 私は急にそんな親にはなれないけれど、10回に1回くらいは失敗しても否定しない言葉がけができるようにしたいです。

 

子育てって誰のため?

子育てとは、子どものためではなく、大人が本当の大人となるための大切な修行。これまでの自分を訂正するというかなり難しいことも、痛みを伴いながら愛する者のために受け入れる修行。そのことが自分を過信せず、自分の非を認めて反省のできる「まっとうな大人」になっていくという成長につながっていくと思うのです。

『ありのまま子育て』

 子育てって、自分のための修行。

 子どもと過ごす中で、過去の自分と対峙する場面が多々あります。

 自分の中にある黒い感情にも気づきます。

 感情のアップダウンも激しくなります。

 でも、そんなゴタゴタもひっくるめて楽しいかもって思います。

 私、いつかお寺へ修行へ行きたいと思っていたけれど、日常生活がすでに修行だったんだなぁ。。ラッキー。(笑)

 

 

 井桁さんの言葉には、子どもへの圧倒的な信頼を感じます。

 どの子もみんな良い子なんだよ、というメッセージを感じます。

 それは、私たち親に対しても。

 『ありのまま子育て』のどのページからも「愛情」があふれ出ています。

 この本を読むと「きっと大丈夫」って思わせてくれます。

 

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